こうして〈歌手 横井久美子〉は《横井久美子 歌手》になった!
横井久美子にとって「歌手」とは
肩書きを超えて名前と一体化した
運動体としてのレゾン・デートル(存在証明)でもある
横井久美子 歌手 グランドフィナーレ
歌にありがとう
横井久美子 著
◆ 発行:2021年6月
◆ 判型:四六判上製
◆ 頁数:320頁 +口絵2頁
◆ ISBN978-4-87196-081-6
◆ 定価:2,200円+税
■著者紹介■
横井久美子(よこい・くみこ)
歌手(シンガーソングライター)。1944年、名古屋市生まれ。国立音楽大学声楽科卒。国内はもとより、アイルランド、ベトナム、ネパール、南アフリカ等世界各地で歌い続け、その土地の歌を日本に紹介。また、薬害、公害、差別などの現場に出かけ、「歌を必要とする人のもとに歌を届ける活動」を展開。2005年ベトナム政府より平和への貢献で「国際平和友好勲章」、2014年デリー市(北アイルランド)から長年の文化交流に対して「国際市民友好賞」を授与される。2021年1月14日死去。
著書に『ネパール 村人総出でつくった音楽ホール』『横井久美子ソング&エッセイ 歌って愛して』『ゆるゆる ふっくり』『ただの私に戻る旅』『雑踏 歌 そしてわたし』、CDは『VIVA KUMIKO』『アイルランドの風に吹かれて』『私の愛した街・私の愛した人』など多数、DVDに『いのち燦めく村』『歌にありがとう』などがある。
■内容紹介■
横井久美子は、これまでの歌手生活、歌手としてのたたかいを通して、
間違いなく「グランドフィナーレ」を迎えた。
この本の全ページに、そこに至るエキス、粒子が満ちている。
横井久美子はコマーシャリズムに乗った〈歌手 横井久美子〉ではなく、あのベトナム戦争時の少女にまで生きる勇気を与えた《横井久美子 歌手》なのだ。横井久美子にとって「歌手」とは、単なる肩書きを超えて名前と一体化した、運動体としてのレゾン・デートル(存在証明)でもある。
唯一無二の《横井久美子 歌手》となった横井久美子は、自らの生き方で範を示すことによって、誰もがグランドフィナーレを迎えられる可能性を本書で明確に示している。一読すれば、ほとんどの人がそのことを実感し、くじけずに自分の道を生き抜く覚悟と勇気がみなぎってくることだろう。
本書は、これまでに発表した数多くのエッセイに加えて自身の半生を初めて書き下ろした第1章、2019年7月に東京で行なわれた「横井久美子50周年記念コンサート」の全記録であるいわば紙上ライブの第2章、そして力尽きるギリギリまで発信し続け書き遺した横井久美子ならではのブログ全編の第3章から成る。
■もくじ■
まえがきに代えて 友寄英隆 3
第1章 歌にありがとう 世界中にありがとう
歌手「横井久美子」はこうして生まれた 12
歌手と子育ての両立あたふた記 22
①親の緊張、子どもに移って―目を見てゆっくり話そうと 22
②〝親のハジ〟を子どもがかばって―個性の違う一家四人チーム 26
スモン―私の歌の記録 30
『ただの私に戻る旅』からの心の軌跡 42
百合子とふきさん 58
歌を離れ、アイルランド自転車一人旅 68
アイルランド留学日記 74
①〝私の愛した街〟へ 74/②最初の危機 75/③ノイリンのオーラ 77/
④古都の大フィナーレ 78/⑤パブと教会 81/⑥やっと戸口に 83
アパルトヘイトの傷深し――南アフリカ喜望峰で歌う 86
ネパール 山峡の村の笑顔と歌声 90
世界を旅して 出会って 歌って 95
①ざかり 95/②デイケアっ子 98/③ベトナムのリエンさん 102/
④官邸前行動 106/⑤ピート・シーガー 110/⑥血の日曜日事件 113
ゆるゆるふっくり 暮らしを謳う 117
①国立に住んで 117/②私のモーニング 119/③夢みる薔薇小路 122/
④ウレタンの草履 123/⑤ベトナムの友人リエンさん 125/
⑥私の着物ライフ 127/⑦アラン島にて 130/
⑧「アノニマ︱もう一つのノーベル賞」 132/
⑨トンコリと知里幸恵 135/⑩ナチュラルコスメ 137/
⑪人生の師・櫛田ふきさん 139/⑫謳いつづけた女たち 142
第2章 歌、うた、詩で半世紀
[ライブ]横井久美子50周年記念コンサート 146
第一部 146 第二部 173
●横井さんと歩んで 横井久美子さんとコンサートをつくる 前田孝子 197
第3章 片腎KUMIKOのライフ
2019年10月5日 204 ―― 12月28日 222
2020年1月1日 223 ―― 11月20日 279
2021年1月15日 お知らせ 友寄英隆 280
●母・横井久美子へ お母さん ありがとう 友寄のむぎ 282
久美子さんへの感謝の手紙 ジャスティン 285
あとがきに代えて―妻・横井久美子の思い出 友寄英隆 292
横井久美子演奏活動年譜(1969~2019年) 310
本書の書名について 317 (一葉社通信「根ずみの眼」第8回とリンク)