絶望から希望へ、やがて絶望、そしてまた希望へ!



T・K生の時代と「いま」

東アジアの平和と共存への道


池明観(CHI, MYONG KWAN) 著

 


◆著者: 池明観(CHI, MYONG KWAN)

発行年月日:2004/07

◆サイズ:四六判・上製
◆ページ数:272ページ
◆ISBN:ISBN978-4-87196-028-1
定価:2200円+税


■内容紹介■

私はT・K生の名で「韓国からの通信」を
書き始めねばならなくなった。


絶望から希望へ、やがて絶望、そしてまた希望へ!
言葉を武器に民主革命に大きく寄与した著者の哀歓と自省。
北東アジアは、朝鮮半島は、日本は——
この時代を私たちはどう生きていくべきか。

「韓国からの通信」は、非常に政治的な文章のように見えます。そして、多分に感情
を加えた叙情文的なところもあります。しかし、いまはもう散文の時代です。「韓国
からの通信」のような叙情的な文章ではなくて、散文的な文章によって両国はどうす
れば近くなるかということを考えていきたい。そういう意味でも「韓国からの通信」
の時代は終わった時代であり、これからは「韓国からの通信」を越えて友情の時代を
われわれは共に築いていかなければならない。(本書より)


●著者プロフィール

池 明 観(チ・ミョングァン)
1924年、平安北道(現在の朝鮮民主主義人民共和国)生まれ。宗教哲学者。ソウル大学大学院修了後、大学教授、『思想界』主幹等を経て72年来日、東京女子大学教授に。93年に帰国後、韓国の翰林大学教授・日本学研究所所長、韓国放送公社(KBS)理事長、日韓文化交流会議韓国側座長、日韓共同歴史研究韓国側代表等を歴任。2003年7月、「T・K生」であることを名乗り出た。著書は、『人間的資産とは何か』『韓国 民主化への道』『勝利と敗北の逆説』『日韓関係史研究』『ものがたり 朝鮮の歴史』等多数。


●T・K生=月刊誌『世界』に73年5月号から88年3月号まで掲載された「韓国からの通信」の匿名の筆者名。当時の軍事政権下での人権抑圧や民主化運動弾圧の実情などを克明に報告・告発して世界的に大きな反響を呼んだ。岩波新書(全4巻)でも刊行。