戦前・戦中の青春時代――1文字1文字刻み付けるように

 書き遺した、著者の静かな怒りを含む切実な遺稿集

 

戦争青春記

 

 

秋葉 洋 著

 

 

◆ 発行:2017年5月

◆ 判型:四六判

◆ 頁数:296ページ  

◆ ISBN:978-4-87196-063-2 

◆ 定価:1,800円+税 

 

 

■内容紹介■

 

戦前・戦中の青春時代、陸軍幼年学校・士官学校を経て中尉へと

職業軍人の道を歩んだ著者(故人)の痛切で率直な体験記。

 

特に、著者が身をもって体験した敗戦時の

「帝国陸軍部隊の自滅崩壊」のなまなましい告白記録は珍しく、

この国の侵略戦争や軍国主義支配の実態と愚劣な本質を

存分に暴き出している。

最近の危険な傾向を案じて1文字1文字刻み付けるように書き遺した、

著者の静かな怒りを含む切実な遺稿集。

 

■著者紹介■

 

秋葉 洋(あきば・ひろし)

1924年3月東京生まれ。東京府立四中、陸軍幼年学校、予科士官学校、陸軍航空士官学校等を経て、1945年陸軍少尉任官、敗戦直前に中尉となる。敗戦で失業。1947年日本大学工学部入学、経済学部でも学ぶ。1951年卒業、日本信託銀行に入社。入社まもなく労使紛争に巻き込まれ、定年まで労働運動に参加。60歳定年延長闘争に取り組むも要求が叶わず、1979年55歳で定年退職。第二の職場を経て、1985年61歳にて年金暮らしに入る。2014年1月死去。享年89。
著書は、『天皇陛下と大福餅―ある銀行員の昭和私史』(西田書店、2006年。2010年、第13回日本自費出版文化賞受賞)。

 

■もくじ■

 

 読んで下さる方々へ

第一章 昭和が始まった頃
 1 東京郊外の自然と暮し
 2 小・中学校の思い出

第二章 病める星の生徒
 1 広島仮校舎にて
 2 杜の都の結核患者
 3 療養、休学そして転校

第三章 日米戦争下の士官学校
 1 市ヶ谷台から埼玉へ
 2 仲間達の温かい支えで
 3 天皇陛下と大福餅

第四章 帝国陸軍の崩壊
 1 クラブハウスの見習士官
 2 僻村の独立中隊
 3 飢餓と壕掘りの日々
 4 敗戦、中隊消滅

第五章 未知の世界へ
 1 死線を越えて
 2 生きるために
 3 新生日本の職場風景
 4 社会人から再び学生へ

 読んで下さった方々へ
 *遺志を著す――秋葉泰子