◆著 者: 大川 一夫
◆発行年月日:2009/06/
◆サイズ:A5判
◆ページ数:76ページ
◆ISBN:978-4-87196-041-0
◆定価:1000円+税
■内容紹介■
本書は……類書のように、もっぱら裁判員制度の仕組みを論じた本でもなければ、あるいは、単に裁判員制度批判の本でもありません。私自身は新しくできた裁判員制度は大いに問題はあると思っていますが、それでも従来の刑事裁判をよりよい方向に変えうる可能性を秘めていると考えています。つまり、従来の刑事裁判は非常にひどかった、と思っているわけです。その意味では、新しくできた裁判員制度を頭から否定するのではなく、裁判員制度がよりよい方向に運用あるいは改正されることによって、従来のひどかった刑事司法が真に改革されるべく、その一助になることを願って述べた本です。(本書「はしがき」より)
■目次■
第1節 99.9%有罪は裁判か
——従来の刑事裁判の問題点
第2節 妥協・ごった煮の制度
——裁判員制度の問題点と可能性
第3節 わからないことはわからないと言おう
——疑わしきは被告人の利益に
第4節 世界の基準・国連人権規約委員会は何を言ったか
——可視化の必要性と代用監獄
第5節 誤りを正す道を残そう
——控訴審と守秘義務の問題点
第6節 NITA メソッドは素晴らしいが
——弁護人の大いなる負担
第7節 コリンズ裁判と訴追者の誤謬
——わかりやすい裁判とは何か
第8節 ウイリアム・テル殺人事件
——裁判官の誘導を許してはならない
第9節 あなたは主権者か
——今、民主主義が試されている
■大川一夫 (おおかわかずお)
弁護士(大阪弁護士会所属・大阪弁護士会副会長)、龍谷大学法科大学院客員教授。1953年、京都市生まれ。京都大学法学部卒業。著書『「裁判員制度」の本義』『労働者と裁判員制度』、共著『実務刑事弁護』『国際人権規約と国内判例』。