知られざる民営化の影を描く ノンフィクション・ノベル


 

 

電鍵砦の一矢


NTTに立ち向かった無線通信士たち

 

 

 

 


◆著  者:菊沢 長

◆四六判

◆448頁

◆ISBN:978-4-87196-054

◆定価  2,400 円+税

 

※カバーの写真は著者愛用の「電鍵」



■内容紹介■


「海の安全を守れ!」

巨象NTTに生命(いのち)と生活(くらし)をかけて敢然と挑んだ

無名の蟻戦士たちのたたかいの軌跡 


 銚子無線局は国家的な事業を担うNTT内の特殊な事業所である。それがNTTの民営化により、廃局に追い込まれた。「効率化」を掲げる民営会社NTTには、儲からない無線局はいらなかった。NTTは情報通信の巨大企業である。その“巨象”のような企業に、五〇人にも満たない“蟻”のような無線通信士・技術士たちが、無線局の存続を求めて立ち向かい、廃局後も配転の無効を求めて立ち向かった。そして最後の最後、“蟻たち”は“巨象”を負かした……。(本書「プロローグ」より)


●著者プロフィール

■菊沢 長(きくさわ・ちょう)

1946年、宮城県生まれ。65年、日本電信電話公社(後のNTT)入社。66年、第一級無線通信士の資格取得後、銚子無線電報局へ配属。96年、銚子無線局廃止によりNTT千葉116センターへ。NTT東日本東京支店、同千葉京葉営業支店を経て、2012年退職。1996年、全労連第五回文学賞小説部門で「廃局」が入選。電通文芸同好会会員。事務局の一員として機関誌『窓』の発行に携わっている。